書評

ペンキを薄く、何回も塗り重ねる

7日間で突然! 頭が良くなる超勉強法 【ドラゴン桜公式副読本】
著者 : 桜木建二
SBクリエイティブ (2021年7月21日発売)

まんがドラゴン桜2の公式副本。
勉強方法に関してのクイズが書いてあり。ドリル形式の内容になっている。
漫画の中で紹介された勉強方法が中心になっている。
ドラゴン桜は1は全部読んで、2は途中まで読んでいる。

読書は1冊を10回読め!

頭が悪い奴ほど本や教科書を1,2回読むだけで理解しようとする。
そして案の定、「自分には、理解できない」と簡単にあきらめてしまう。

大抵、参考書を最初から熟読して理解しようとしても、うまくいかない。理解できなくて心が折れる。自己肯定感がズタボロになる。

順を追って最初から最後まで読み進めるのが正と考えて真っ向から挑もうとしてしまうから。
何故か染み付いている考えなので、気を緩めるとついつい上記のような読み方をしなければならない、というバイアスにかかってしまうから要注意だ。そんな必要は全くない。最初の1回なんて流し読み、というか、流し見で良いのだと思う。

■STEP1 1~3回 流し読み

スピード感覚重視。
理解不可能でもなんなく、とにかく読み流す。
書いてあることをぼんやりと見るという感覚で、どんどん読み進める。

■STEP2 4~6回 しっかり読む

1行1行を丁寧に読む。
1行に時間をかけて、疑問がでればチェックする。
内容を観察するようなイメージ。

■STEP3 7~10回 全体を読む

全体の構成を把握。
流れをもう一度イチから理解。
全体に光をあてて、全体と一部をいったりきたりするイメージ。

本著とは別の本だけど、「7回読み勉強法」として何回も読み返す勉強方法を紹介した本を、弁護士の方が昔出していて、読んだことがある。それと同じ勉強方法だ。

最初は、読まずに見るという感覚が、最初はなぜか罪悪感を感じてしまうのだが、そこを、バイアスを外すような気持ちで、ざっと眺めるように、とにかく読み通すことが大事だと思う。

眺めて終わっただけでも、小さな達成感が得られる。小さな報酬がある。そして、2回、3回と繰り返すと自己肯定感も生まれてくる。眺めるときに、重要度の記載があるテキストならその点を意識して、メリハリをつけるとなおよいと思う。

勉強を、壁へのペンキ塗りと例えるなら、端から順々に完璧な色合いで丁寧に塗っていくのではなく、薄いペンキでさーっと、全体を軽く塗っていく行為を繰り返すような作業にすることだ。

一回一回は、ペンキの濃度は薄いが、塗り重ねていくうちに、濃くなっていく。
短期間で全部塗れるごとに達成感がある。端から順に丁寧に完璧に塗っていこうとすると、達成感はなく、途中立ち止まったときに、残りの時間を考えると絶望感を感じて、挫折してしまう可能性が高い。

ペンキを薄く、何回も塗り重ねていこう。

勉強の本質とは何か?

勉強とは「わかる」と「わからない」を切り分けて「わからない」を「わかる」にしていく過程を言う。

ただ、闇雲にテキストを読み込んだり、問題集を解くのではなく、常に自分が何を理解していて、何を理解していないのかと言う点、考えを常に頭に置きながら勉強することで合理化の面でかなり変わってくる。

自分が一体何をわかっていないのか?と言う視点はついつい見落としがちである。なぜならば、自分がわかっていないと言う事実に真っ向から対峙すると言うのは、精神的に辛いからである。願わくば、その状況に対峙する事は避けたいという心理が働くからであると思う。

人に教えると言う行為は否応でも自分がよく理解していないと言う点が浮き彫りになる。なぜならば、自分がわかっていないところを認識し、そこを穴埋めしないと相手を理解させることができないからである。相手を理解させようと言う目的のために自分がわかっていないと言う事実を受け入れざるを得ない。

それ故、人に教えると言う行為は自分の学習になり得るのだ。これはダイアログ学習法とも呼ばれている。以前、サウナに入ったときに観たテレビ番組で、中学生が学習塾の講師からこのダイアログ学習方法を紹介されて実践していたのを思い出した。中学生がさながら講師になりきって勉強内容の講義をしていたのだが、なかなか板に付いた講義をしていて感心した。講師というより、役者になったつもりでやってみるといいかもしれない。

教える相手がいない場合は、アヒルの人形を相手に授業を行うのも有効だ。これは別名でラバーダック勉強法と言う。我が部屋にはアヒルちゃんがいるが、これは断捨離で処分できないモノの1つである。

以上、ケンゴンでした。
それではヒュッゲな一日を。