書評

数多ある本の中でもタイトルが秀逸な本。

こんにちは。ケンゴンです。

今回は柿内尚文さんの『バナナの魅力を100文字で伝えてください』です。

近所の本屋で売上1位で平積みされていた本でした。
読んでまず思ったのが、何故にこの本が売れているのか?ということ。

内容は「伝え方」(伝わり方) についての本です。
ですが、世の中そんなにライター志望の人が多いとも思えない。

コロナ禍でのステイホームにおいて、より物理的に緊密になった家族間のコミュニケーションや、反対に物理的に隔離されたテレワークでの社内コミニケーションと、コミニケーション様態の変化に伴う諸問題の浮き彫りが背景なのか?とも最初は思いました。

ですが、これはタイトルが秀逸なのだと、多くの人が手に取る理由がこのタイトルにはあるのだと。そう思いました。

この本は中身も有用で、コミニケーションについて大いに参考になる内容の書籍です。ですが、その中身を知ってもらう為に、まずは手に取ってもらえることが必要ですよね。

この本が平積みコーナーにあるのは、前から知っており、見る度に気になっていたタイトルの本でした。そして、とうとう本日手にとって買ってしまった。

この本はタイトルが秀逸です。

【バナナ】
バナナには多くの人になじみがある果物であり、「親近感」を感じさせる。
表紙には大きなバナナのイラストが描かれており、これも大いに視覚的に親近感を感じさせる事に一役買っています。

【100文字】
内容の解像度が上がる、スペシャル感が出る「数字の法則」を利用している。
「人は話し方が9割」、「はじめての人の為の3000円投資生活」、とベストセラー本には数値が使われています。先日読んだ「限りある時間の使い方」では、題名ではありませんが、4000週間という数字が帯に記載されています。

【伝えてください】
この本を見たをひとに「自分ゴト」にしてもらう言葉である。
なんともタイトルを読んだ人に対して挑戦的です。自分ならどう伝えるか?とつい考えてしまいます。それ故、この本の存在は記憶にも残ります。

この本はそんな秘密を踏まえたタイトルになっています。

雑談は「目的」を変えると楽しくなる

この本を読んでみて刺さったのは、コラムでした。
コラムなので、「伝わり方」という本書の主題とは少し外れてはしまうのですが。

僕も以前は「このちょっとした緊張感をアイスブレイクしないと」という義務感で、無理やり雑談をしていました。

(中略)

でも、いっこうに雑談の苦手意識が消えませんでした。
なぜなんだろう?
自分なりに考え、そして気づいたんです。
「アイスブレイクをしないといけない」と思うことが、雑談が苦手な原因だったということに。

つまりこういうことです。
アイスブレイクをするのは、その先にある目的を達成するためです。
「今日の打ち合わせをうまく進めたい」「交渉相手からイエスを引き出したい」などの
目的があり、そのためのアイスブレイクだったのです。目的は打ち合わせや交渉をうまくいくようにすること。
雑談もその手段のひとつでした。
だから、緊張したり、うまくいかなかったんだということに気が付きました。

(中略)

そこで雑談の目的を考え直すことにしました。
いまの僕なりの結論は、雑談はアイスブレイクのためではなく、「相手と仲良くするためにするもの」

一期一会。
お互いの人生の時間を、仕事でもほかのことでも共にするのであれば、すこしでも仲良くなりたいし、少しでも相手のことを知りたい。

するとどうでしょう。
あんなに苦手だった雑談が苦ではなくなっていったんです。むしろ、雑談の時間が楽しくなってきました。

これを読んで思ったのは「義務感」を感じてしまうと、大抵うまくいかない、ということ。
アイスブレイクする為という義務感を感じるような目的ではなく、発想を転換し、仲良くなる、という自発的なモチベーションが上がることを目的に据えたら、苦ではなくなり、楽しくなったということです。

「義務感」を感じたらそれはうまくいっていないことのサイン。
○○しないといけない。。。 〇〇しなければならない・・・・。

例えば、とある資格を取得しようとして「勉強しないといけない。。」と「義務感」を感じるのではなく、本当に必要で自分がやりたいと思える仕事に必要なもので、好きだと思える分野の内容の資格であれば「学びたい!!」という積極的なリビドー、もしくはヴァイブスを感じるはずだと。

「義務感」を感じた時は何かがおかしい。その物事がうまくいかない可能性が高い。
自分の意に反し、自分の気持ちに従った行動が取れていない。
そんなときはその目的を本当に自分が望んでいるのか、疑ってみるべきだと思います。

ですが、義務感を感じても、その行動がどうしても必要だという事もあるでしょう。
その場合は、このコラムの例のように目的を頭の中で置き換えるというテクニックが有効だと思います。

以上、ケンゴンでした。
それではヒュッゲな一日を。