書評

習得すべきは、足るを知り、削ぎ落とす、ミニマル術。

こんにちは。ケンゴンです。

今回は、『#超ミニマル主義』四角大輔 著(ダイヤモンド社)です。

著者はソニーミュージックに勤めた後、退社。その後、ニュージーランドへ渡り、9割の仕事を現地で行った経験を持つノマドワーカーだ。趣味はバックパッキング登山。そんな著者による「余計なコト・モノを手放して身の回りをミニマル化、楽でシンプルな働き方を手に入れるための教科書」である。

習得すべきは「何かを得る」スキルではなく、足るを知る極意と「何かを削ぎ落とす」
ミニマル術だ。

足るを知るというのは、特に最近日々意識している。
何かが欲しい、何かを食べたい、といった欲望が湧いてきたときに、その欲望をどう満たすかではなく、どうその欲望を鎮めるか。欲望そのものを消滅させる方法を考えるようにしている。

欲望を削ぎ落とし、ものを削ぎ落としていく。
岡本太郎さんの「積み減らし」という言葉が好きだ。

意識していないと、あらゆる物事は積み上がっていく。
定期的に積み減らしていくという意識が必要。

なにが今の自分にとって大切なのか、優先順位はどうなっているのか。
自分の行動、生活のコントロールがままならなくなってしまう。

よくも悪くも、様々なものが、身に、身の回りに積み上がってしまった。
そして、今はあまり欲がない。物欲が無い。そして食欲も、あまりない。
積み減らしを行うタイミングなのだと感じている。

バックパッキング登山が趣味である著者。
登山の話を例に、本書はそのミニマル術を説いている。

どのギアを選び、何をおいていくか。バックパッキング登山では、常にグラム単位で持ちモノを削る必要がある。
これくらい大丈夫だろうと、1つのアイテムで「数g」を妥協すると、その積み重ねがあっというまに数kgの違いを生む。

これを読んで登山小説「神々の山嶺」の 羽生丈二を思い出した。
彼が山に持っていく鉛筆を極限までに削って、小さく、短くするという描写だ。
たかが数グラム、されど数グラム。その小さな積み重ねが、結果を左右する。

流石に家の持ち物を数グラム単位まで考えて削ることは非現実的であるが、
そのぐらいの気負いで、必要最小限にまで削ってみようと思う。

人生最大(最小?)の積み減らしのタイミングが来たと思っている。
この本に出会ったのはまさにそのタイミングであり、その為に引き寄せたのかもしれない。

以上、ケンゴンでした。
それではヒュッゲな一日を。