書評

行動経済学から「参照点を設定する」という考え方を学んで生きやすくなる。

こんにちは。ケンゴンです。

行動経済学という分野が面白いです。
何冊か読み漁った中で、特に面白いと思った本を紹介します。

『行動経済学の使い方』大竹 文雄 著(岩波新書)となります。
行動経済学の紹介、説明、解説に留まらず、そこから一歩進んだ、行動経済学の使い方について記された本です。

具体的には「ナッジ」と呼ばれる、人を無意識にある特定の行動へと導く”仕掛け”を設定する方法について著者はこの本で書いてます。

この本のように、「使い方」まで踏み込んだ本は、この本の他に類を見なかったので、行動経済学を自分の生活の中で活かしたいなと考える方におすすめの本です。

そんな本書の中で印象的だった、ハリケーンの話。

アメリカでハリケーンが上陸した時、逃げないという人に対して避難を促す上で効果的なのは、「残留する人は身体にマジックで社会保障番号を書いてください」というメッセージだったという。このメッセージを聞いた人は、災害で死亡した際に身元確認をする為に、そうすることを求められていると理解する。その段階で、人々は自分が災害で死亡していることを想像するので、死亡している状態が参照点になる。そうすると避難して生存していることは損失ではなく利得だと感じられる。つまり、参照点が最悪の状態になった為、安全策を取ることが出来るのだ。

この「参照点」の考え方が刺さります。
物事を「利得」と捉えるか、「損失」と捉えるかは、全ては「参照点」次第ということです。

人生を「幸福」と捉えるか「不幸」と捉えるかも、この「参照点」次第と思うのです。
参照点を設定するということ。それは「どの位置からイマココにある自分の状況を見るか?」ということと考えます。

例えば仮に、自分が病気や怪我で体が不自由になってしまった状態をガチリアルに想像することによって参照点として設定し、イマココにいる五体満足で健康に生きられている自分を見ます。

自分の足で街を歩き回れる、自分の目で本を見て読書も勉強もできる、3食ごはんが食べられて味も感じられる、好きなサウナにも行ける、映画館にも行けるし、ゲームも出来る、なんて幸せなんだと。

と、ここまで書いていたら幸せな気分になりました。人生レベルで結構な辛いことあったんですが、忘れました。マジで忘れました。まあいいかと思いました。単純ですね。人間は想像以上に単純です。ときに愚かな程単純です。そういうものです。

人生、考え方次第というのは真実で、この参照点の設定が自己催眠レベルで自由自在に操ることが出来れば、常に快を感じ、正しく生きていけると思う次第であります。

以上、ケンゴンでした。
それではヒュッゲな一日を。モイモイ!